第7回 得手不得手 プログラムにだって ありますよ? - セキュリティ講座
がる先生のセキュリティ講座
Lecutures on PHP
第7回 得手不得手 プログラムにだって ありますよ? (その1)
誰でもアウェイは苦手なもの…だけど
やむを得ない部分も少なからずあるのですが、どうしても、多くの技術者は「自分の得意な領域で勝負のすべてを行おうとする」癖がある事が多いように思われます。
でも、多くの場合「出来る」と「適切」の間には、突き落とされたらどんな獅子の子でも生存不可能なほどの、深くて暗い溝があります。
ある機能に関してただ「出来る」だけの「適切ではない」ものをチョイスしてしまうと、そこで大きな歪みを生んでしまうために、結果としてセキュリティリスクが増大する可能性があります。具体例について少し考察をしてみましょう。
ネットワーク/サーバ管理者とは仲良く
掲示板などユーザ投稿のある類のプログラムでありがちなのが「ある一定範囲のネットワークからのアクセスをブロックしたい」なんていう状況です。
もちろんそれを「プログラム的にチェック&排除する」ことは十分に可能なのですが、もしその「一定範囲のネットワーク」がある程度決まっているなら、ネットワーク管理者にFireWallレベルで設定をしてもらった方がネットワーク負荷もマシン負荷も低く、かつ、厄介なコーディングも不要になります。
たとえば「わかりきってる一定範囲もあれば、ある程度動的な一定範囲もある」のであれば。わかりきっている一定範囲のIPに対してはFireWallでブロックをかけ、動的な部分だけプログラム側で制御をすれば、どちらにとっても比較的低い負担で、全体として制御をかけることが可能になります。
また、ある程度しっかりしたルータを使っているところであれば意図的に「ネットワーク帯域を絞る」ことでマシンへの過負荷を押さえたり、もうちょっと高度な制御になると、ネットワーク要求をキューイングすることも出来ます(トラフィック シェーピングとか呼称します)。
これをプログラムで制御しようとすると、ちょっと大変ですよね?
また、もちろんそれがよいわけではないのですが、どうしてもDocumentRootに設定ファイルなどを置かざるを得ない場合。Apacheなどの設定で「拡張子単位で出力を抑止」なんていうことをしておくと、最悪の事故が防ぎやすくなります。
こんな風に、ネットワーク/サーバの知識があると、プログラマ側だけでは「厄介だなぁ」と思っていた色々な事が、案外に簡単にできてしまったりもするのです。
パケットは盗聴可能?
重要な情報を…DBに保存する時とかならば、暗号化なりなんなり、プログラム側で対応が出来るのですが。流れているパケットレベルで盗聴されてしまうと、正直プログラム側では手も足もでません。
これがどうでもいい情報ならまだよいのですが、たとえばクレジットカード番号とかが盗聴されるのは限りなく避けたいところです。
そんなときにhttpsは大変に重要なのですが、これもやっぱりネットワーク管理者との二人三脚が必要になります(まずはきちんとした証明書を取得してもらうことから始まります。間違っても自作の証明書なんか使っちゃいけません)。
ちなみに、httpsにすべきところをhttp(暗号化なし)にしてしまったために発生する脆弱性には「HTTPS Misuse」っていう名前がついてたりします。
あちこちで必要な冗長化
すべてのWebアプリケーションが、という訳ではないのですが、業務の性質的に「止まらない」システムが要求されることは少なくありません。
そんなシステムをプログラムだけで構築するのは、ちょっと無理があります。具体的にはハードウェアに絡む関連などです。
そんなときに、ネットワークの冗長化、マシンの多重構成、DBのクラスタリング、などを行うことは非常に大切です。 もちろんネットワーク屋さんDB屋さんからも「そういった多重化に耐えられるシステムを作って欲しい」と願われるモノですので、お互いに「相手のことを考えて」の設計であり構築であり、になるわけです。
具体的には「ローカルにファイルを持たない(PHPの場合セッションがデフォルトでローカルファイルを使うので注意)」などの設計が要求されます。
賢いロードバランサですとCookieなどの値によってマシンを振り分けてくれたりもするのですが、やはりロードバランサにも相応の負荷がかかりますので。
ロードバランサに負荷をかけるのか、セッション情報をDBでもってDBに負荷をかけるのか、については、コストなども視野に入れながら柔軟に設計したいものです。
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今回のような実践的な経験がエンジニアのキャリアに繋がると思います。是非サービスを成功させて下さい!